恋愛磁石



「行こうか」


「うんっ」



セーラー服からブレザーへと変わった制服に身を包んだあたしたちは、改札から出てくる人ごみにまぎれて歩き出した。

履きなれないローファーが、少し歩きにくい。


この駅から徒歩で約20分の距離にある、通称“西高”。
あたしたちは、今日からそこの1年生だ。



「未来!悠里!おっはよー!!」



校門をくぐった途端、大量に手渡された、部活勧誘のビラ。
それを抱えて歩いていると、昇降口の前で誰かが手を振っているのが見えた。









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