恋愛磁石



「――未来!大丈夫!?」


「骨折とかじゃないよね!?」



テニスコートの前を通ると、美雪と成海が駆け寄ってきた。



「大丈夫。でも、しばらく部活行けないかも」



大袈裟にテーピングされた右手を見せて言うと2人は痛々しそうに顔をしかめて「そっか」とため息をつく。



「先輩たちには言っとくよ」


「早く治してね」


「うん。バイバイ」



ぱたぱたと走ってコートに戻っていく2人に、小さく手を振る。

カバンとラケットと肩にかけなおしたあたしは、部活中である生徒の声を聞きながら校門を出た。





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