恋愛磁石
―――裕斗には彼女がいる。
そう聞いたのは、公園で寝ているあいつに出会った1週間後。
病院での審査結果を保健室へ持っていったあたしに、そう伝えたのは竹本だった。
相手はなんと、同じテニス部でマキ先輩のあとに部長となった2年の沖津セナ。
入部当初から、あたしを目の敵にしている先輩だった。
――ほら、やっぱり。
少なからず、儚い期待を抱いた自分に嫌気が差す。
“モテない”
なんて、ウソばっかじゃん。