沫雨恋愛
「薫っ!捺っ!」


後ろから声がして、あたしたちは振り返った



そこには笑顔の拓海くんが立っていた




「来てくれたんだ」


「うん。どこ行ってたの?」


「先生ンとこ。

おーい煉ー!」




拓海くんが手を上げて一ノ瀬に向って手招きをした





一ノ瀬があたしたちの方に走ってきた




「藤野!保坂!来てくれたんだ」


「暑い中がんばってるねぇ~」


「大会近いしな。
先輩たちも引退して俺ら中心になったから‥前よりがんばらんと」




そう言って一ノ瀬は、着ていたTシャツの裾で顔の汗を拭いた







そんな‥ほんのちょっとの仕草にときめいてしまう。










(‥完全に恋する乙女だな自分‥)



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