沫雨恋愛
「捺?どしたー?」
大声を出していたあたしに気がついて
薫と拓海くんが近づいてきた
「ありゃあ~‥誰だあ?煉に酒飲ませたの~」
拓海くんは冷静に一ノ瀬の頬をペシペシと軽く叩いた
「煉、めっちゃ酒弱いんだよなー」
「そ‥そうなの!?」
「コップ1杯ですぐ酔っちまーの」
「ど‥どうすればいい‥?」
あたしは一ノ瀬の体を支えていたので身動きが取れなかった
「少し風にあたれば酔い醒めっと思うから
わるいけど捺、外に連れ出してやって?」
拓海くんに言われた通りに
あたしはだるそうにしている一ノ瀬を必死に歩かせて、すぐそばにある公園のベンチに座らせた
夏といっても夜はやっぱり少し涼しかった
一ノ瀬は座ったと同時に目をつぶった‥
あたしもベンチの残ったスペースに座った。