沫雨恋愛
数十分後
「‥ん‥」
「あ‥。目覚めた?気分どう‥?」
「あ‥だいぶよく‥・・って、ええ!?!?」
一ノ瀬は目を開けた途端にびっくりして
すぐさま体を起こした。
「あれ‥俺‥えっ!?」
まだ少し寝ぼけた顔が、焦った表情へと変わった。
その顔に思わず笑ってしまった。
「あはっ あのね、一ノ瀬の体
寝てる最中にだんだん横に倒れてきて‥
最終的にあたしの膝の上に来ちゃったんだよ(笑)」
「そ‥そっか‥。重かったよな‥ごめん」
「ぜんぜん!気にしないで」
‥なんて。余裕ぶって言ってみたけど‥
一ノ瀬の頭があたしの膝の上にある間中
あたしの心臓はずっとドキドキ言いっぱなしだった。
もしかしてあたしの激しい心臓の音に気づいて、起きてしまうのではないかとハラハラもしてた。
「気分どう?もう気持ち悪くない?」
「うん、‥ありがとな。」
そう言った一ノ瀬はまだ少し顔が赤かったような気もしたけど‥
暗くてはっきりとは見えなかった。
「少し‥歩かない?」