沫雨恋愛
夜の公園
夜の公園は暗くて
ほとんど人気が無かったけど
あたしと一ノ瀬はぽつりぽつりとある
街灯の光を頼りに公園の中を歩き回った。
「‥俺さ、高校になってからこっちに引っ越して来たんだ。」
まだ‥お酒が残っているのかな‥?
今日の一ノ瀬はいつもよりもおしゃべりだった。
いつもの一ノ瀬は‥無口とまではいかないけれど
自分のことをほとんどしゃべらない。
でも今日は‥始めて、
少しだけ‥自分のことを話してくれた。
「だから‥知り合いが一人もいなくて
不安だったけど‥
拓海や‥保坂や藤野たちと仲良くなれて‥
本当によかった。」
そう言って、まだほんのり赤みがかった顔で笑った。