沫雨恋愛
「もうっ 捺遅いよー」
「ごごごめん!!!支度にてまどっちゃってっ」
浴衣が思ったよりも綺麗に着れなくて
何度もやり直ししているうちに、
待ち合わせに遅れてしまった。
あたし以外の3人はすでに集まっていた。
「じゃあ行くか」
花火の会場となっている川の周りは
出店や人で賑わっていた
花火の開始までは
まだ時間があったから
あたしたちは出店街を歩くことにした
薫と拓海くんが前に並んで歩くから
その後ろにいるあたしと一ノ瀬は
必然的に隣同士になる。
(‥かっこいいなあ‥)
浴衣だったらいいなと思っていた
あたしの期待は外れてしまったけど
めったに見ることのない一ノ瀬の私服姿は
あたしにとっては貴重で、心をときめかせる。