沫雨恋愛




ドスンッ






ずっと歩き続けていたからか、




下駄の紐が切れた。











その拍子につまづいて、転んでしまった。










「痛ったあ~‥・・」










ぶつけた膝を見てみると、血がにじんでいた。













「あっ ちょ‥ みんな待っ‥っ」







遠のいていくみんなを追い掛けようとしたけど



紐の切れた下駄と傷む足のせいで、

立つことができなかった。











必死に追い掛けようとしている間に、

みんなの姿は人混みの中へ消えてしまっていた。









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