沫雨恋愛
「藤野っ!!大丈夫かっっ!!!??」
顔をあげて見えたのは‥一ノ瀬の姿だった。
「姿が見えなかったから探しに‥って‥
転んだのか!? うわっ 血ィ出てんじゃん!」
あたしは目の前の状況が理解できなくて
ただ‥一ノ瀬を見上げていた
「ちょっとここじゃ危ないから移動しよ! 立てる‥?」
放心状態のあたしをひょいっと持ち上げて立たせると
一ノ瀬はあたしの肩を支えながら人混みの中を抜けて
すぐ近くの人気の少ない場所へと運んでくれた。