沫雨恋愛
「‥じゃあ、帰ろっか。 送るよ。」
「え!?そそそそんな!!いいよっっ!!!!!!!」
あたしは必死に顔を左右に振った
「だってその足じゃ帰れないだろ?」
自分の足下を見た。
膝に貼られた絆創膏。
紐の切れた下駄。
一ノ瀬の言う通り、とてもこの足では帰れそうになかった。
「‥・・。」
「はいっ!じゃあ背中に乗って」
「え!?おんぶ!?」
「そ。だって歩けないでしょ?」
「で‥でもあたし重いし!!!」
「大丈夫大丈夫。ほら。早く」
一ノ瀬は背中をあたしに向け、手を後ろ向きに差し出した。
「ほら。」
あたしは戸惑いながら‥
言葉に甘えて、その背中に体を寄せ、首に手を回した。