沫雨恋愛
「‥ごめんね」
「‥?何が?」
一ノ瀬はあたしを背中に乗せたまま、
わずかな街灯しかない夜道を歩いていた。
「‥せっかくの花火大会だったのに‥。
あたしのせいで‥
拓海くんたちとはぐれちゃったし‥
花火も最後までみれなかったし‥」
「いいよいいよ。充分楽しめたし」
「運んでくれたり‥
手当してくれたり‥
‥おんぶまで‥
あたし‥迷惑かけてばっかりだよね‥
本当‥ごめんね‥・・」
申し訳なさでいっぱいだった。
どうにか償いたいのに‥どうしていいのかわからない。
「ごめんね」って
それしか言えない。