沫雨恋愛

偶然




長いようで短かった夏休みは
今日で最終日を迎えた。



毎年、この日は課題に追われて
過ごしていたけど

今年は課題が少なかったから
無事に全部終わらせることができ、

のんびりと1日を過ごせる



「捺ー。暇ならお醤油買ってきてー」


‥はずだった




「えー・・めんどくさ‥


「味のしない肉じゃが食べたいの?」

母がにっこりと笑った。



もう、この笑顔に敵う人は
あたしの家族の中には誰もいない



「‥行ってきます。喜んで。」




あたしは寝っ転がっていたソファから
勢いよく立ち上がり





テーブルに置いてあった財布を手にして家を出た
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