マスカレヱド
荷物をまとめ、友達に挨拶して、急いで階段を下りていく。
今日は八時から見たいテレビがあるんだ。家までは電車で二十分。塾から駅までは走って三分。今が七時三十五分。なんとかなりそうだ。
大通りを行かず、建物の間の裏路地を駆け抜ける。こっちからだと、駅のホームの目の前に出られるからちょっと早いんだ。
信号もないし、俺って頭いいんじゃね?
そう考えながら急いでいると、目の前に何か黒いものがいるのが見えた。
……なんだあれ?
黒いものというより、夜の闇で先が見えないだけかもしれない。
むしろ気にかかるのは宙に浮いている二つの何か。
ゆらゆら揺らめく二つの銀色は、足を止めた俺の方へと近づいてくる。
そして、不吉を呼ぶ声が聞こえた。
今日は八時から見たいテレビがあるんだ。家までは電車で二十分。塾から駅までは走って三分。今が七時三十五分。なんとかなりそうだ。
大通りを行かず、建物の間の裏路地を駆け抜ける。こっちからだと、駅のホームの目の前に出られるからちょっと早いんだ。
信号もないし、俺って頭いいんじゃね?
そう考えながら急いでいると、目の前に何か黒いものがいるのが見えた。
……なんだあれ?
黒いものというより、夜の闇で先が見えないだけかもしれない。
むしろ気にかかるのは宙に浮いている二つの何か。
ゆらゆら揺らめく二つの銀色は、足を止めた俺の方へと近づいてくる。
そして、不吉を呼ぶ声が聞こえた。