紙ヒコーキ
そこにはまぎれもなく
航大の姿があった。
半年?ぶりに見る航大は変わらなかった。
終わったはずの記憶
またよみがえった。
航大も私達に気づき、
驚いていた。
『ひかり・・・』
航大が私の名前を呼んだ瞬間に橋本と繋いだ左手をはなしてしまった。
はなしてしまった。
離れてしまったあなたとの手。
そして私の前から離れた航大。
『なんでいるの?』
偶然が偶然をよんでしまった瞬間。
忘れかけようとして
橋本を受け入れようとしていた私の心は、今、
一斉になにもかもが
真っ白になった。
どうして神様は邪魔ばかりするの?平凡に私達は生きてはいけないの?
そんなの決めるの私達なのに。
諦めかけた、いや諦めていた希望が忘れかけた時に見えた。