紙ヒコーキ

『久しぶりだね』
私と航大は店の裏のベンチに腰をかけて話す。


ずっと航大に言いたかったことも、思っていたことも時間がたつにつれて忘れてしまう。

『大人っぽくなったな!元気してた?』

どうしてこんな私に微笑んでくれるのだろうか、

『全然だよ。航大のが大人っぽくなったよ。私は元気だよ!』
自分から呼び出したくせになかなか言葉がでてこない。

『なら、良かった』
本当にこんな会話で終わってしまうのか。

またあの時みたいに
言いそびれて後悔してしまうのだろうか。


後悔なんて言葉はもう聞きなれたはずなのに

< 126 / 135 >

この作品をシェア

pagetop