紙ヒコーキ
『久しぶりだね』
私と航大は店の裏のベンチに腰をかけて話す。
ずっと航大に言いたかったことも、思っていたことも時間がたつにつれて忘れてしまう。
『大人っぽくなったな!元気してた?』
どうしてこんな私に微笑んでくれるのだろうか、
『全然だよ。航大のが大人っぽくなったよ。私は元気だよ!』
自分から呼び出したくせになかなか言葉がでてこない。
『なら、良かった』
本当にこんな会話で終わってしまうのか。
またあの時みたいに
言いそびれて後悔してしまうのだろうか。
後悔なんて言葉はもう聞きなれたはずなのに