紙ヒコーキ
永遠なんて言葉は
結局どこにもなかった。
橋本の飛ばした紙ヒコーキは目的もなく宛もなく
どこかに目指しながら飛んでいった。
まるで、いつかの私達みたいだった。
『橘はさ、中学時代はどうだった?』
中学時代・・
言えるわけがないよ。
橋本になんて言えない。
『楽しかったよ。結構楽しかった。』
私は笑って見せた。
でもその笑顔の裏では
悲しみや寂しさがいっぱいつまっているんだよ。1人じゃ抱えきれないほど。
『そっか。』
橋本は真剣な顔してこっちを見てくる。
今にでも吸い込まれそうなほどに。