紙ヒコーキ

すると裕太がむこうから走ってきた。

『おーい!!健人おいてくなよー』

どうやら橋本は裕太をおいて逃げてきたらしい。

『ごめん。忘れてた』
橋本は椅子に座りほうずえをつきながら言う。

私もみやびも橋本も裕太のほうを見て笑いだす。

みんな笑うこの時間が
一生続けば良いのに。

なにひとつ嘘も偽りもないこんな一時が続けばどんな幸せなことなのか。

そんな事を思っていると私の携帯が鳴った。

『ひか、携帯鳴ってる』
裕太が私の着信音に気づいて教えてくれた。

『あぁ!本当だ。』

ディスプレイを見ると

シンジからだった。

私は出ないことにした。

どうせ出てもろくな事ないから携帯を閉じた。
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