紙ヒコーキ

『でも、もうシンジとはわかりあえないし、多分幸せにもなれない。だから愛していようが、関係ないの。』


『そっか。』

橋本は私の涙を拭きながらまた笑った。



その時の笑顔はどことなく寂しい笑顔だった。


『橋本、ありがとう。』

シンジの記憶から私は消えて
私の記憶からシンジは消えて

そんなふうになればいい

でもシンジを忘れることできないから。
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