紙ヒコーキ
『ひかりが羨ましいよ。俺はそんな強くないからさ。』
橋本はそう言いながら私の体を強く抱き締めた。
橋本、あなたの過去はどんなふうだったかわかんないけど、あなたも強いよ。
『私は強いわけじゃないよ。ただ私にも自由がほしかったから、だよ』
『自由か、』
答えじゃなくて理由じゃなくて、ただ自由がほしかった。
空を見上げれば綺麗に輝いているオレンジ色。
長かった今日も終わり
『ひかり、帰ろうか。』
『うん。』
あなたと肩をならべ一緒に歩く。
二人で海辺に行った時みたいに。