風にキス、君にキス。



知らず知らずのうちに、口をついで出ていた言葉だった。



…はっと顔を上げると、真琴先輩と目が合って。



その鋭い目つきは…いつもよりずっと、ずっとずっと優しかった。



「うん…あいつらしいな」


「…っ」





…ねぇ、日向。



"よく生きる"って、どういうことなんだろう…



あたしはまだ、自分の夢さえも良く分からないよ。



何がしたいのかも…



何が出来るのかも…




…あたし自身の幸せ、って何なのかな?



いつか見つかる日が来るまで…







日向は…傍にいてくれるのかな?




< 163 / 310 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop