風にキス、君にキス。
知らず知らずのうちに、口をついで出ていた言葉だった。
…はっと顔を上げると、真琴先輩と目が合って。
その鋭い目つきは…いつもよりずっと、ずっとずっと優しかった。
「うん…あいつらしいな」
「…っ」
…ねぇ、日向。
"よく生きる"って、どういうことなんだろう…
あたしはまだ、自分の夢さえも良く分からないよ。
何がしたいのかも…
何が出来るのかも…
…あたし自身の幸せ、って何なのかな?
いつか見つかる日が来るまで…
日向は…傍にいてくれるのかな?