風にキス、君にキス。
「だから俺も…希望を与えたいんだ」
「…拓巳ならきっと、出来るよ」
心からそう思った。
拓巳なら出来る。
だって…あたしは、既に拓巳に希望を貰っているから。
「…ありがとな。頑張るよ」
「うん…」
人は何を失っても、最後には希望が残るという。
…光があると信じて
未来があると信じて
幸せがあると信じて…生きていく。
…あたしは、日向の生きる希望になれていたかな?
ほんの少しでも。
ほんの…一瞬でも。