風にキス、君にキス。
「はよー」
「おっす、日向」
「おはよー柚ちゃんっ」
学園も…同じだった。
日向が戻っただけで、やっぱりどこか違った。
教室は明るく、温かい光が差し込んできたような気がした。
「久しぶりね、ヒナタ」
「お、久々。おばさん」
「おばさん!?まだ未婚だっつの」
静かだった英語の時間は、相変わらず騒がしくなって。
ALTの先生も、日向に絡みながらもやっぱり楽しそうだった。
「またシェイクスピアかよ…」
「あたし、シェイクスピア好きだよ?」
席替えで、たまたま日向の隣になって。
そんなささやかな会話を…こっそりと授業中に交わした。