風にキス、君にキス。



呆れる反面、いつまでもこのままでいて欲しいとも思う。



例え明日、隕石が墜落する可能性が2分の1になっても。



俺達が今ここにいる。



そのことに変わりはないのだから。




「ゆーず」


「…考えてみたら、怖くなっちゃった」



ちょこん、と小さく振り向いて。



柚は引っ張られた髪を撫でながら、呟くように続けた。



「30年後でも明日でも…゙いつがあたし達はいなくなるんだよね」


「…そうだな」


「いつかいつかって思ってても…今日や明日になると、絶望を感じる。



…゙いつが死ぬって分かってても、どうして人間は人間であることに…人間として宇宙に生まれ堕ちたことに絶望しないで生きてるのかな…?」



夜空に瞬く星のうち…たった一つだけが一瞬、きらりと光った。


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