風にキス、君にキス。
「…よし、頑張ろ」
学校の門が見えてきたと同時に、数人の後輩達が入っていく姿も見えて。
「おーっす!」
「あ、おはようございます!」
俺は笑って、手を振った。
「んーと、今日の競技場での注意は…こんぐらいだな」
競技場に向かうまでのミーティングで、俺は必要な連絡を一通り終えた後顔を上げた。
「なんか質問ある奴いる?」
「…」
「よし。じゃ早速競技場に…」
「「ぶ、部長!」」
「何だよ」
思わず怪訝な表情になると。
…後輩達は慌てたように言い始めた。
「なんていうか…部長から最後の一言的なものは…」
「…あ、考えてない」
「部長!」
突っ込まれて、初めて気付いて頭を掻いた。
そういやそんなの…考えんの忘れてた…