風にキス、君にキス。
あなたはあたし達が希望だと言った。
だけどね…?
――――…あたし達には、あなたの生きる姿が希望だったんだよ。
心からそう…伝えたかった。
「すいません。長くなりました」
「…いや…」
目を赤くした実行委員会長らしいおじさんは、マイクを受け取りながらハンカチを口元に当てていた。
「あ…泣いてます?」
「はっ、早くスタンドに戻りなさい!」
軽く笑った日向は、相変わらずで。
…本当に相変わらずで。
口が悪くて意地悪で…強くて温かくて優しい、あたしの大好きな人だった。