風にキス、君にキス。
風の色。
「俺はいつも走る前に考える。
ベストタイムが取れるか。
自分が思うように走れるか。
…優勝、出来るか。
次の大会に進めるか。
多分人間はそういう生き物なんだろう。
後悔することを、俺達は一番恐れる。
…けどな。
俺達がこうしてフィールドを走ってるのは、何もトロフィーのためだけじゃない。
"走りたい"から。
風と調和しあって、駆け抜けていくことに幸せを感じるから。
そうじゃないか…って気付くのは、スタートを待つ瞬間じゃない。
走り出した瞬間でもない。
…本当に風になった、まさにその瞬間なんだよ」