風にキス、君にキス。
そんな風にして、次々と互いのイメージカラーを挙げていった。
「柚ちゃんは白って感じだな」
「あ、どうしてですかっ?」
「何に対しても純粋で、常にフェアなイメージ」
隆史先輩の言葉に少しくすぐったくなる。
…そんなことも、ないんだけどな…
「じゃあ日向は…?」
あたしのイメージカラーが決まった…というか決められたあと。
…誰からともなく、視線が日向に向けられた。
「こいつは何色かね…」
雄大先輩の呟きに、全員が首を捻った。
「青色?…合わなくもないけど、なんか違うな」
「緑?いや…」
「口悪いから黒?…あ、冗談だって」
「んー…」
―――…あたしの中の、日向の色はとっくに決まっていた。
もっと、もっと前から。
…日向の走りを初めて風だと思った、あの頃から。
「…透明、かな」