風にキス、君にキス。
いつも思う。
…大切な一瞬一瞬ほど、あまりに呆気ない…と。
全てを一瞬に掛けている俺達は、どんなに辛くてもそれを積み重ねて生きていかないといけない。
だけど不思議と…
…今の俺にはそれが、たまらなく幸せで…
何故かと言えば、多分。
―――…多分、大切な人達が俺の傍にいてくれるからだろう。
「日向、明日は祝福ミーティングだな」
「ありがとうございます」
結局シードを進めたのは、俺と隆史先輩の二人。
…他の部員達の応援をむげにしないように…これから更にレベルアップをしていかなければならない。
とりあえずは…今日は休んで、明日から色々と考えよう。
そう思ってから、俺はいつもの緑色のジャージ姿を探した。
「…アイツは?」