偽装婚約~秘密の契約~
契約成立
『初めまして。
遊馬 晴弥(アスマ ハルヤ)です
この度は、ご迷惑をおかけてして申し訳ありません』
晴弥はそう言って頭を下げた。
「あ、いや…全然…大丈夫、です」
会う前までは懲らしめてやる、なんて思っていたのに。
会った瞬間、そんな思いはどこかへ飛んで行ってしまった。
『森本、ちょっと席を外してくれるか?
今から大事な話をしたいんだ』
晴弥がそう言うと森本は一礼して、部屋を出て行った。
『さて、契約内容だけど…
この紙、読んでもらえるかな?』
晴弥に差し出された2枚の紙。
1番上に『契約内容』の文字。
そしてその下からはびっしりと文字で埋め尽くされていた。