偽装婚約~秘密の契約~
「バ、バカ?!
なんでよ?!
なんでそんなこと言われないといけないのよ?!」
晴弥は心底呆れたよな顔をしたあと、すっとあたしの上からいなくなった。
あ…れ?
結局、約束通り、言うこと聞いてくれたんだ?
そう思って起き上がるあたし。
でも
「………え?!ちょっと?!」
腕を掴まれ、またベットに倒れるあたし。
そして、気づくと寝転がったまま、晴弥に抱きしめられていて。
晴弥の息づかいが耳のすぐ横に聞こえて。
ありえないくらい、ドキドキした。
『誰が沙羅の言うこと、聞くと思ってんだよ』
はぁ?
何言っちゃってんの?コイツ。
「あんた、頭大丈夫?
自分から言うこと聞く、って言ったのよ?」
『分かってる』
「だったら…『だから』
グッと晴弥の腕に力が入って。
さっきよりも2人の距離が縮まった。
そして晴弥は耳元で囁く。
『お前は俺のペットだろ?
だから、俺が言うこと聞くんじゃなくて、沙羅が、俺の言うこと聞かなくちゃ…な?』