偽装婚約~秘密の契約~
『いいかい?
契約規約は2つだけだ。
まず1つ。
この関係は決して他の人に口外してはならない』
晴弥の言葉に頷く。
『あ、とりあえずサインしてくれる?
そのサインは契約成立の証拠だから』
晴弥にペンを渡され、自分の名前と私印を押した。
『はい、契約成立。
沙羅、お前はもう俺の言う通りにするしかない』
……………ん?
なんか…声色、変わってない?
しかも何?
その、顔は…
さっきの爽やか晴弥はどこへ行った…?
目の前で不適に笑っている晴弥。
さっきとは何かが違う。
『そうそう。
契約規約の2つ目。
相手に惚れてはいけない。
ま、でももう沙羅は俺に惚れてるみたいだけど』
ちょっと待って…?
何?コイツ。
ホントにさっきの晴弥か?
キャラが…全然違うじゃん!
なんか自信過剰になってるよ?!
『じゃ、これからよろしくね?さーら』
晴弥はそう言ってあたしの頬にキスをした…