偽装婚約~秘密の契約~
女心





◆晴弥目線◆



『瑞季…やっぱり俺には女が理解できないよ』


思わず溜め息をつく。



『女性は私たち男からすればまったく別の生き物ですから。

それも無理がないと思います』


瑞季はそう言って微笑んだ。


もうかれこれ、瑞季とは17年の付き合いだ。

と、いうことは生まれた頃から瑞季がいたワケで。


もう瑞季もいい歳だが、未婚。

ま、執事なんてしてたら結婚なんてほど遠いものになるから仕方ないんだけどな。



『沙羅になんて言えばいいんだよ…』


さっきの出来事を全て見ていた瑞季に聞く。



『晴弥様の本心を言ってはどうですか?』



『それは絶対イヤだ!』


俺は即答。

やっぱり生まれた頃から俺を知っているだけあって瑞季は俺のことならなんでも知ってる。


もう言葉にしなくたって俺のキモチを読み取る能力を瑞季は身につけている。



『意地を張っては何も解決しませんよ?』


瑞季はそう言うがさっきの様子じゃ、沙羅…完全に怒ってたしな。



ジュウゴから先に聞いてたんだからもっと考えておけば良かった…







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