偽装婚約~秘密の契約~
『瑞季、森本に連絡して車を出してくれ。
ちょっと出かけてくる』
部屋に戻り着替える。
そして準備を終えると
『いつものところで森本が待っております』
瑞季の見送り。
『沙羅のこと、よろしく頼む。』
『かしこまりました。
いってらっしゃいませ』
ちょっと歩くといつもの黒い車。
『ジュウゴの家まで頼む』
一言だけ森本に告げ、俺はイヤフォンを耳に突っ込んだ。
なんで俺…女のことでこんなにも悩んでるんだろう。
こんなこと、あずさ以来だ。
あずさと沙羅。
正反対の2人が俺を苦しめる。
ジュウゴ…頼むから解決策を見つけてくれ。
人に頼るな、って突っ張るなよ。
俺はお前だけが、頼りなんだから―…
◆晴弥目線 終◆