偽装婚約~秘密の契約~
パーティー
「おはよ、瑞季さん」
いつもより早く目覚めたあたしはもう制服に着替え、準備万端。
『おはようございます、沙羅様』
『おお、今日は珍しく早いんだな』
瑞季さんの隣で朝食を食べながら皮肉を飛ばす晴弥。
まあ、もうこんなこと、慣れたけど。
「たまにはね。」
昨日の今日だけあってちょっとだけ、気まずい。
『……まだ、怒ってんのか?』
晴弥がフォークをお皿に置く。
カチャンという音が部屋に響いた。
「なんのこと?」
『え?もう怒ってないのか?』
「なんのことか分かんないよ、晴弥」
『あ、お、おう。そうか』
晴弥は動揺した様子で席を立った。
バカね、晴弥。
まだ、怒ってるわよ。
当たり前でしょ?
でも、怒ってたって仕方ないじゃん。
あんたへの不信感はきっと、もう2度と消えないだろうけど、
でも、仕方ないから昨日のことは忘れてあげる。