偽装婚約~秘密の契約~





「………さら~?

どうした?なかなか戻って来ないから心配したんですけど。」



「………あ、うん。ごめん」


手をついて立ち上がった。

知らない間にあたしは廊下で座り込んでいたようだ。



「なんかあったん?

こんなとこにおって。


まさか迷子?

それはないやんね。

トイレまで一直線だし。」


芽依はいつも通り明るくて。

芽依は何も悪くないのにそんな態度にイラついて。



「………ごめん」


あたしはそう言ってパーティールームへ戻ろうと歩き出した。


でも


「……ちょっと待ってよ」


芽依に腕を掴まれた。



「沙羅?思ってることって言ってくれな、分からんよ?」


あたしより背の低い芽依は下から覗き込むようにしてあたしを真っ直ぐに見つめる。




「じゃあ、何も隠さず、教えてよ。


………晴弥とあずさってどんな関係なの…?」

















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