偽装婚約~秘密の契約~
疑い




朝起きると目が重くてやっぱり、泣きすぎたか…

そんなことを思いながら無理矢理目をこじ開けた。


ふと、枕元に置いてある紙切れが目に入る。



『何があったとは、無理には聞きません。

ですが、やはり沙羅様には笑っていてほしいので何かあるならこの瑞季になんなりとおっしゃってください。


余計なお世話かもしれません。

ですが執事はお嬢様の心配をするのが仕事ですので。


それと机の上にホットタオルを置いておきました。

目に当てておくと次第に腫れがひいていくと思います。


何かあればいつでも呼んで下さい。



瑞季』


そこには綺麗な字で書いてある手紙があって。

机の上にはタオルが置いてあった。


瑞季さんってばどうしてそんなに気が利くんだろう。


ベットから降りて机の上のタオルを目に当てた。



そしてまたベットに寝転がる。

じわーっとタオルの温かさが染みてきて。


また涙が溢れそうだった。



気づいたんだ、このキモチの正体。



これのキモチは


きっと




『嫉妬』



そう呼ぶんだろう。






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