偽装婚約~秘密の契約~





『沙羅、座れよ。

んな突っ立ってないでさ』


晴弥と無言で睨み合い(見つめ合い?)をしているとジュウゴに言われ芽依の隣に座った。



「ま、晴弥のうちほどじゃないけどジュウゴの家も広いでしょ?」


『何言ってんだよ。

芽依の家のほうがデカイだろ。


ま、けど晴弥んちには負けるよなー』


なんて和やかな雰囲気。

でも晴弥もあたしも黙ったままで。



どう話を切り出すべきか考えていた。


ここで、晴弥に本当のことを教えてもらうのは決めていたんだ。

芽依も、ジュウゴもきっと全部知ってると思うから。


だから、2人にはいてもらうつもりだ。

もちろん、瑞季さんにも。


瑞季さんは晴弥の傍にいつだって一緒にいるんだから絶対にあずさのことも知ってる。

もしかしたら、芽依やジュウゴ以上のことを知っているかもしれない。



「沙羅?なーに黙ってんの?

いつもの元気はどこ行った?」


顔を上げて笑って見せる。



「あたしは元気だよ」

なんて言ってさ。


さて、どうしようか。


どのタイミングで、

なんて切り出せばいんだろう。







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