偽装婚約~秘密の契約~
「はるやー!さらー!」
突然、部屋のドアが開く。
そうするとそんな元気な声が聞こえて。
「……めいー!」
ドアの向こうから芽依が現れる。
その後ろにはジュウゴもいる。
『表、すごい人だぞ。
何人呼んだんだよ?』
あ、そう言えばあたしも知らないや。
今日、何人招待されたのか。
『ちゃんと数えてはないから分かんねぇけど…
海外から来る人も含めて500人くらいじゃね?』
『「「500人?!」」』
ジュウゴと芽依とあたしの声が見事にハモる。
『この婚約…偽装、なのにな』
ジュウゴがポツリと呟く。
そうだよ、晴弥。
これはあくまでも『偽装』婚約でしょ?
なのにその婚約披露パティーに500人も呼ぶ?
『俺は、1ミリも沙羅を婚約者じゃないと思わせたくないんだ、母親に。
だから、信じ込ますことができるならやれることは全てやるつもりだ』