偽装婚約~秘密の契約~
新生活
「…もしもし?」
結局、携帯を受け取りメアド変更と電話番号が変わったことを全員に送信したあと、洋介に電話をかける。
『もしもし?
どうした?こんな時間に』
洋介がそう言うのも無理はないだろう。
いつも電話するのは大抵夜だ。
でも今はまだお昼。
こんなことは滅多にない。
「いや…言わなきゃいけないことあって…」
『別れ話なら聞かないからな』
そんな洋介の言葉に思わず笑ってしまったあたし。
「別れ話なんてしないって」
なら良かった、なんて安心した声が聞こえて来る。
『で、話って?』
洋介に促され、言う。
「あのね、あたし…引っ越したんだ。
それと、転校…したの」