偽装婚約~秘密の契約~
『そっか…
淋しいけど、会えるんだよな?』
「大丈夫だと思う…たぶん」
これも濁すしかなかった。
まず第一に洋介と関係を続けていけるかも分からない。
だから会えるかどうかも分からないんだ。
『なら…良かった。
新しい学校で、他の男作ったりしたら許さないからな。』
「うん、分かった。
じゃあまた今度。
ばいばい」
電話を切る。
そして部屋から出て、リビングのソファに寝転んだ。
なんでこんなに…フカフカしてるんだろう。
そんなことを思いながら宙を見ていると突然、顔が目の前に現れた。
「…はっ…晴弥?!」
『んなビックリしなくてもいいだろーが』
呆れた顔でそう呟きソファに座る晴弥。
あたしは慌てて起き上がる。
『今、お前が考えてること、教えてやろうか?』
「え…?」
晴弥はあたしのほうを見ず、言い放つ。
『彼氏…洋介と別れなくて…いいのかなぁ?
だろ?どうだ?正解じゃないか?』