偽装婚約~秘密の契約~
U.S.A
『………ら様
沙羅様、起きて下さい。
遅刻しますよ』
肩を揺すられゆっくり目を開けると瑞季さんの顔があって。
良かった。
ヤツじゃなくて良かった。
「……あ、おはようございます」
かなり寝ぼけ気味で頭を下げる。
『おはようございます。
って本当に遅刻してしまいますよ?
さもないと晴弥様がもうすぐ…』
そこまで聞いてあたしは飛び起きた。
『ではお着替えのほう、お願いします』
瑞季さんは微笑んで部屋を出て行く。
きっとさっきの瑞季さんの言葉の続きは
『さもないと晴弥様がもうすぐ部屋に突入してきますよ』
だ。
それだけは
それだけは避けなければ。
朝からヤツに捕まったら
今日1日、やっていけなくるんだから。