偽装婚約~秘密の契約~
いつも通りの校門前。
黒や白の高級車の列。
その先頭に車がつけられる。
するとあたしは車を飛び出した。
そして教室へダッシュ。
バンッと扉を開けるといっせいに注目を浴びて。
『「………さら?!」』
教室にジュウゴと芽依の声が響いた。
「めいーぃ!!!」
呆然と立ち尽くす芽依に抱きつくあたし。
なんだか安心したんだ。
いつも2人がそこにいて。
「沙羅…良かった…
帰ってきて…ホントに良かった…」
ジュウゴはあたしと芽依を交互に見ると
呆れた顔で溜め息をついて。
でもどこか嬉しそうで。
帰る場所はやっぱり、ここだったのかもしれない。