偽装婚約~秘密の契約~
「良かった…ホントに心配したんだから」
芽依は目に涙をいっぱい溜めて言う。
『そうだぞ、沙羅。
晴弥から夜中に電話あったときは驚いたんだから。
もう2度と、家出なんてすんな』
相変わらず言い方はどこかぶっきらぼうだけど
でも優しい表情であたしを見るジュウゴ。
うん、やっぱりそうだ。
あたしの帰る場所は…ここだったに違いない。
芽依から一歩離れるとあたしは頭を下げて言った。
「ご心配、ご迷惑おかけしました。
これから契約が終わるまでの残り約2ヶ月…よろしくお願いします。」