偽装婚約~秘密の契約~
「……べ、別にそんなこと…」
正直、言葉が出なかった。
だって…洋介の名前、知ってたし
しかもなぜか考えてることまで分かっちゃってるし。
『言っとくけど俺、お前のことなんでも知ってるから』
「……はっ?!」
それ、どういう意味ですか?!
『お前のことは事前に調べた。
ま、偽装とは言え一応俺の婚約者になるワケだからな。
当たり前のことだ。
そんな驚くほどのことでもない』
って!
何そんな涼しげな顔で言ってるワケ?!
『驚くほどのことでもない』
って驚くでしょ!誰でも!
いろいろ言いたいことはあったけど、
言いたいことがありすぎて何も言葉が出てこなかった。