偽装婚約~秘密の契約~
晴弥は静かにドアを閉めた。
「……しない…わよ」
ドアにそう呟き、ベットに倒れ込むあたし。
浮気なんてしないわよ。
……と、いうかできない。
なんて言ったってあたし
自分でも呆れるくらい、あんたが好きなんだもん。
他の男なんて、
好きになれないの。
きっとあんたによって洗脳されたの。
あたしの脳は、あんたにしか反応しないの。
ねぇ…晴弥?
あんたはいったい、あたしにどんな魔法をかけたの?
お願いだから…その魔法、解いてよ。
今のままだと、あたし、ダメになちゃうから。
このままだと、あたし、あんたに本気になっちゃうから。
まだ、今なら、もしかしたら、歯止めがきくかもしれない。
だから、お願い。
早く、その魔法を解いて。
あとから困るのは…
晴弥の方だよ?