偽装婚約~秘密の契約~
『沙羅はさ、ホントにあと少しで元の生活に戻るのか?』
ご飯を食べながら盛り上がる会話。
よそよそしかった要と芽依もいつの間にか打ち解けていた。
そしてジュウゴがそう言ったのはあれだけあった料理がだいぶ、減ってきた頃だった。
『え?それ、なんの話?』
要がそう言って。
ジュウゴがしまった、という顔をする。
「いいんじゃない?
要くんにならあの話、しても。」
芽依にそう言われて要に今の学校に転入することになった経緯を話した。
『はっ?!なんだよ、それ?!
俺、全然…知らなかった…』
「ごめん。
あのとき、話せば良かったよね…」
ここから逃げ出して、要に拾われたとき、話すべきだった。
『で、残りの契約期間は?』
「あと…約2ヶ月」
要はその答えを聞いて、俯いてしまう。
せっかくまた会えたのにね。
ごめんね、要。