偽装婚約~秘密の契約~
『おはようございます、晴弥様、沙羅様』
森本も瑞季さんと同様丁寧に頭を下げる。
晴弥は無言で車に乗り込む。
「おっはよー!森本!」
正直、森本を見ると安心する。
ああ、ここは夢じゃなくて現実なんだな、って。
晴弥も瑞季さんもカッコ良すぎてたまに夢かと思うんだ。
あ、でもだからって森本がカッコ良くないってワケじゃないんだけど。
『お元気そうで何よりです。
いろいろ大変だと思いますが頑張って下さい』
「ありがと!」
あたしも車に乗り込む。
そして車が動き出した。
なんだかんだ言いながらあたしは素直に言うことに従ってる気がする。
なんか晴弥に転がされてる気がしてイヤだけど。
でも、どうせなら楽しまなくちゃ損だ。
そんなことを移り行く景色を見ながら考えていた。