偽装婚約~秘密の契約~





『いってらっしゃいませ』


着いた場所は…



「…………うそぉ…」



『口、開いてんぞ』


口が開いたまま固まってしまうくらい驚くような場所。



あたしが通っていた高校の倍ほどある敷地。

学校の前に高級車が山ほど駐車されていて、

執事らしき人が頭を下げている。


そう。ここは超セレブの子どもが通う高校なのだ。



「やっぱあんたは本物だったのね」


思わず、呟いた。



『なんだよ、それ。

俺は最初から本物だっつーの』


ダメだ。

晴弥は何も分かってないんだから。


ってかあたし…こんなところでやっていけるワケ?


昨日まで庶民だったあたしがセレブについていけるワケないじゃない。


セレブ感覚なんて…分からないし。

セレブに庶民の感覚が分かるとも思えない。



「はぁ…」


ここで友達を作るのは絶望的かも。












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