偽装婚約~秘密の契約~
「はぁ…」
ホント、なんだかあたしはヘンな世界に来ちゃったなぁ…
窓の外の景色を見て思う。
高級感漂う、庭。
廊下にはなぜかベンチが置いてあるし。
友達なんて…できないんだろうなぁ…
あ、でもいいか。
どうせ、ここには半年しかいないんだから。
晴弥との契約が終わればきっと、元の高校に戻れる。
いや、戻ってやる。
そう心の中で誓い、ガッツポーズ。
頑張ろ。
とりあえず半年間、なんとなくで静かにすごそう。
問題を起こすことなく、
巻き込まれることもなく、
静かに過ごそう。
それで元の生活に戻ろう。
うん、そうしよう。
今、決めた。
静かに、平和に暮らす。
それが今のあたしの目標。
ただ、そう人生はうまく行くものじゃない。
だいたい、静かになんて過ごせるワケがなかったんだ。
あんなヤツが傍にいて、静かになんて不可能だった。
でも、あたしがそのことに気づくのはだいぶ先のこと…